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共生祭-前金 Well-Being 展覧会

今年の夏、雄本老屋チームは林事務所の林承毅先生から招待を受けて高雄を訪れ、前金区の弘道老人福祉財団のパートナーらと共に、第1回「共生祭」準備ワークショップに参加しました。共生祭の目的は、「コミュニティ共生」の概念を提唱し、高雄初の社会住宅「大同社会住宅」と弘道のパートナーが運営する「林投好客廳」を中核として、時代的意義を持つ「生旺巷」の街区回廊と連携し、この地が実践する「共生コミュニティ」の成果を展示することです。

雄本老屋の企画チームはワークショップでの話し合いや意見を基に、「共生」の「互助、相互、依存」の理念を「手を取り合う、絆、連携」の概念と融合させ、「互」の字を原型に「大人と子どもが手をつなぐ」イメージを組み合わせて、今回のメインビジュアルロゴをデザインしました。

林承毅先生の案内のもと、私たちは周辺コミュニティでフィールドワークを行い、複数回の三者協議ワークショップを開催しました。その結果、皆が初回の「共生祭」を「街道展示」の形式で実施することに同意しました。雄本老屋のチームは地元コミュニティを何度も調査し、専門的な空間プランナーの視点から今回の「共生祭」の展示場所とルートを計画しました。前金の林投里内に点在する大同社会住宅や弘道の林投好客廳、地元の旧集落である生旺巷、前金幼稚園の各展示エリアを、統合的なシステムデザインと「共生パスポート」内の地図で結びました。

雄本老屋は古家の修繕と文化歴史調査が本業ですが、企画展示を通じて歴史建築と街区環境の活性化も行っています。今回の「共生祭」の準備期間中、企画チームは「生旺巷」を何度も調査し、展示の中に旧集落の特色と生活感を残すことを目指しました。既存のコミュニティの文脈を尊重しながら、「街区のマイクロリノベーション」を通して、住民の日常に新しい潤いと息吹をもたらし、暮らしの中に新たなイメージと活力を吹き込んでいます。展示を訪れた人々が、生旺巷の旧集落の姿を知ると同時に、そこに息づく地域の生命力、そして古い集落がこれから歩む未来の可能性を感じ取れるようにしています。

城南の心-台中地方文化芸術創作

古家の修復・保存を支援するだけでなく、雄本チームは都市空間の再生と発展にも深い関心を寄せています。なかでも拠点を置く台中という都市に対しては、その次なる歩みと未来のビジョンに大きな期待と情熱を抱いています。2022年3月、雄本チームは縁あって台中市都市発展局および景観総顧問からの招待を受け、参加型設計チームとして台中市政府の「城南の心」プロジェクトに協力しました。このプロジェクトは、交通の複雑さから長年軽視されてきた台中の東・南区に対し、新たな建設工事の前段階で「美学の覚醒」という地域共創を展開するものです。その過程で、近隣の国光小学校や東峰中学校と連携して提案を行い、ワークショップを開催しました。目的は、設計者と実際の利用者が互いの考えやニーズを理解し合うこと。対話やさまざまな素材を用いた発想を通じて、双方が協働し、利用者にふさわしい作品を共に形づくることを目指しました。

東区と南区の産業・経済・文化・レジャーの均衡を図るために進められている「城南の心」プロジェクトでは、周辺の文教エリアと水と緑の空間を有機的につなぐ計画が進められています。その範囲には、国光小学校の興大路側に位置する文化回廊プラットフォームエリア、国光路沿いの生態学習ゾーン、そして仁和路と七中路の交差点にある東峰中学校のビャクチン広場が含まれています。

公共景観工事の施工段階において、地域住民が参加する「コミュニティ型の共創プロセス」を取り入れることは、どの都市の再生・発展においても決して容易なことではありません。それは、ハード面の工事の背後で、ソフト面の社会的プロセスが少しずつ都市の基盤を築いていることを意味しています。同時に、地域の利用者である「人」という存在そのものに焦点を当てた取り組みでもあるのです。まさにこれこそが、雄本チームが思い描く「都市と人との関係」です。そして私たちは幸運にも、その一端を担うことができました。台中の東区・南区の再生に、ささやかでも力を尽くせたことを誇りに思います。

ワークショップでは、雄本チームが植物アーティストの「花婆婆」こと陳杏芬(チェン・シンフェン)先生、そして力野茶陶所のアスさんとミトさんを招き、国光小学校の先生や生徒たちとともに「空間観察」を行いました。参加者たちは、将来それぞれが異なる場面でどのように感じ、どんな問題に直面するかを想像しながら、初歩的な空間イメージを築いていきます。その後、各自の観察結果をマインドマップの形式でまとめ、「空間シナリオ」として発表。全員の意見を統合し、最終的な空間提案を作り上げました。最後に、スチロール、小石、アルミホイル、竹箸、積み木など多様な素材を使って空間模型を制作し、構想を具体的な形にしました。こうして観察から作品発表までの一連のプロセスが完成したのです。

東峰中学校の生徒たちも、植物スタンプの陶板ワークショップに参加し、学校の周辺の生態景観を学んだり、さまざまな植物の枝葉や果実を使ってオリジナルの陶板を制作したりしました。これらの陶板は将来、景観用の石製ベンチの脇に設置され、キャンパスの一角を彩る予定です。美育の成果を示すと同時に、校内の更新・改修に対する学生の参加意識も高めます。また、学生の立場にとどまらず、東峰中学校の先生方も視点を切り替え、生態科の教員・学生・キャンパスの管理維持者など、校内の多様な役割になったつもりで敷地を観察・思考し、ニーズ主導の空間設計や景観家具の配置について発想を深めました。

学生たちの提案には、自由奔放で想像力あふれるアイデアが数多く見られ、一方で先生たちの敷地周辺に対する観察は、きわめて繊細で洞察に満ちていました。チームはプロセス全体を通して、各段階の成果を記録・整理し、それらを実際の工事で使用する建材や設計動線と総合的に照らし合わせました。その結果、将来国光小学校と東峰中学校の先生や生徒たちが共に使う校内空間は、みんなの協働の証として形に残ると同時に、日常生活の中で本当に使いやすく、心地よい場となることを目指しています。