本日より高雄灯台で開幕した特別展「台湾の光:灯台がたどった道」は、高雄土地開発公司の主催、雄本老屋の企画により開催されました。本展では、台湾本島および離島に点在する10基の個性豊かな灯台を精選し、それぞれの誕生の背景と、時代とともに変化してきた社会的役割を探ります。これを通じて、島国・台湾における灯台の長く豊かな歴史的脈絡を浮かび上がらせます。


小さくも美しい展示空間には、台湾各地の灯台の位置を示す大型インタラクティブマップが設置されています。キュレーションチームは、各灯台の物語を「フリップカード装置」として再構成し、来場者が自ら手を動かしながら、その建設の背景、立地の理由、そして建築様式の特徴を探ることができるようにしています。ここでは、漁翁島灯台がどのようにしてピーナッツ油で島沿いに最初の灯をともしたのか、富貴角灯台がなぜ黒と白のツートンカラーに塗られたのか、そして清朝統治期の政府がどのようにしてイギリスの近代産業技術を導入したのかを知ることができます。また、感動的な歴史物語に加えて、本展ではイラスト解説を用い、「灯高」と「塔高」の違いや灯台の構造など、実用的な知識もわかりやすく紹介しています。


特別展のインタラクティブマップには10基の代表的な灯台の位置と簡単な紹介が表示されています。
展示場の反対側にある「灯台と光」エリアでは、完成年順に36基の灯台のイラストが展示されています。鵝鑾鼻の武装砲台から東引島の白い円塔まで、それぞれの灯台はその時代背景と島国・台湾と世界の航路が交わる座標を反映しています。すべての光点がここに集まり、来場者は先人たちが築き上げた精緻な沿岸の灯台ネットワークを一望することができます。そして、展示を通して感じた感動が、次は実際に灯台を訪ね歩く旅へとつながっていくかもしれません。



協力企業「日月広告」の皆さまに感謝申し上げます。雄本老屋とともに、「台湾の光」特別展の最終準備に取り組んでいます。
清朝統治期に灯油の明かりがともり、日本統治時代には精緻な工芸が施され、そして今日、歴史的な場として再び注目を集める――。灯台は、台湾の航運史を象徴する存在であると同時に、文化財の再活用を体現する鮮やかな事例でもあります。その「台湾の光」特別展が開催されている高雄灯台こそ、その意義を示す最良の証と言えるでしょう。
商港の変遷と拡張を見つめ続けてきた高雄灯台は、現在、雄本老屋と小本愛玉の協力によって運営され、台湾で初めて夜間に一般公開される灯台園区として新たな命を得ました。さらに、地元ブランド「海岸線コーヒー」を招致し、旗後山を登ってきた旅人がここでひと休みし、港のゆるやかな時間を味わえる場となっています。また、チームはこれまでの枠を超え、現代フェンシングのしなやかで鋭い動きと、灯台の静かな光影とを重ね合わせるという挑戦的な試みも行いました。こうした活気あふれる試みの数々が、かつて「遠く彼方」を象徴していた海の航路標識を、少しずつ、地域の風景と日常の暮らしに溶け込む公共空間へと変えていっています。
「台湾の光:灯台の来た道」特別展は、島の歴史的な歩みを振り返ることからはじまり、私たちと海、そしてこの土地との関わりの軌跡を記録しています。心より皆さまを高雄灯台へお招きいたします。どうぞご自身の手で、遥かなる航路の物語をめくり、百年にわたり海原を照らしてきた灯の温もりを感じてください。そして、その光がいま、都市再生という未来の輝きと響き合う瞬間を、ぜひこの場所で体験してください。

高雄灯台の現在の姿。(画像提供/原間影像工作室-朱逸文氏撮影)
「台湾の光:灯台の来た道」
展示館名|高雄灯台展覧室
展示場所|高雄市旗津区旗下巷34号
開催日|2025.07.12(土)
開館時間|10:00~21:00(毎日開館)
主催|高雄港区土地開発股份有限公司
企画|雄本老屋計画有限公司
木工デザイン|小本室内裝修設計有限公司
デザイン印刷・照明デザイン|日月実業有限公司(日月広告)
