

雄本老屋の張姮萱デザイナー(右)とスタッフが「健康第一」特別展の展示空間を構築。
1925年に創立された長源医院は、鹿港の住民を約一世紀にわたり見守り続け、今や時の流れの中で沈殿した記憶を新たなエネルギーへと変換し、次の段階の変貌を迎える準備をしています室内空間の改修と再整備を進めるにあたり、雄本老屋は旧建築の生命力を受け継ぐことを忘れませんでした。三連棟の主屋の騎楼(アーケード)を展示空間として活用し、百年にわたる台湾の医療発展の軌跡をたどっています。展示会は、「日本統治時代の台湾医療の発展」、「診察室の再現」、「鹿港の一次医療の貢献者」という三大テーマで構成され、巨視的な時代背景から入り、日本統治時代の台湾総督府が公衆衛生の概念を導入した過程、その後の近代的医療教育の推進と地元医療人材の育成という改革の道を理解できるようになっています。


騎楼(アーケード)の下の展示場に入ると、目に飛び込んでくるのは長源医院の診療台です。台の上の注射器、すり鉢、種痘箱などの医療器具と壁に掛けられた古い写真が呼応し合い、鹿港の町民の記憶に深く刻まれた診療空間を再現するとともに、許読医師の学業と医療の経歴を物語っています——台湾公立台中中学校(現在の台中第一高校)に入学し、台湾総督府医学専門学校に推薦入学し、卒業後に故郷に戻って医療に従事するまで、許読医師の成長の軌跡は台湾初の台湾医療人材の育成を象徴するだけでなく、日本統治時代の台湾の近代化プロセスとも密接に関連しています。






「診察室の再現」展示エリアでは、長源医院の過去の医療器具が展示され、許読医師の教育と医療の歴史が細かく紹介されています。

公衆衛生と医療教育の発展の流れを整理するだけでなく、雄本老屋は空間の専門性から出発し、近代医学が都市の構造に与えた影響についても探求を広げています。今回の展示では、日本統治時代の町家型医療建築の空間形態の成り立ちや、百川医院、坤元医院などの鹿港の地元の医療機関の発展の流れを振り返っています。

長源医院鹿港歴史影像館特別展「健康第一:許読-日本統治時代の台湾人医師の養成」
展示場所|長源医院鹿港歴史影像館(彰化県鹿港鎮中山路194号)
開催日|2024.08.14(水)
開館時間|水曜日から日曜日 12:00~18:00
指導機関|台湾文化部(日本の文化庁に相当)、彰化県文化局
企画|名誉館長・許正園医師、雄本老屋企画有限公司