雄本老屋は、それぞれの都市の姿は生活様式を反映し、新旧が織りなす景観がその多様な活力を育んでいると考えます。台湾文化部(日本の文化庁に相当)の「百大文化基地」計画を通じて、私たちはこの理想が台湾全土で花開き、情熱を持つ無数のチームによって徐々に実践されていることを喜ばしく思います。受賞事例「長源医院-鹿港歴史影像館」の修復・経営チームとして、雄本老屋はまず4月29日に彰化県政府から地域に根ざした活動への評価を受け、続いて5月3日に華山文化園区を訪れ、全国事例の発表会と認証式に参加しました。地域の歴史や風景を受け継ぐ営みを続けるだけでなく、この百年の医院が、文化の地図の上に灯るひとすじの光となり、各地の仲間たちとつながり合いながら、この島ならではの唯一無二の風景を共に描き出していけることを願っています。

発表会の現場で最も感動的だったのは、同じく地域文化の保存と推進に尽力する仲間たちとの出会いでした。その中には、雄本チームがこれまでに深く取材を行ったり、長期的に協働してきた数多くの「古家再生」の事例も含まれています。たとえば、かつての百貨店を文化のランドマークへと生まれ変わらせた新竹の「或者新州屋」、時代の浮き沈みと家族の興亡を映し出す北埔の「姜阿新洋楼」、庶民の生活記憶を受け継ぐ大渓の「源古本舗」、古書店の風格を取り戻した台中の「中央書局」、歴史の厚みを空間体験に溶け込ませた軍事遺構「虎尾建国眷村」、嘉義旧刑務所宿舎群を着実に再生させた「旧監更生島」、昭和モダンの趣を今に伝える「台南林百貨」、そして歴史的街区に根ざした「台南新化生活故事博物館(新化老街)」など。それぞれの文化拠点は異なる個性と性質を持ちながらも、共通しているのは、大切にすべき場所で丁寧に手をかけ、保存と再解釈を通して地域の光を磨き出すという精神です。


初回の「百大文化基地」のひとつに選ばれたことは、雄本老屋チームと屋主である許家にとって、この7年余りにわたる尽力への何よりの報いとなりました。文化・歴史の調査、空間の修復、そして工事期間中も絶やすことなく続けられた「保温計画」、さらには間もなく迎える館の開幕イベントに至るまで——私たちは、古建築が百年の時を超えて新たな命を紡ぐその歩みを一歩一歩見届けてきました。そして、その物語の一頁に名を刻むことができたことを、心から誇りに思っています。
将来的に、長源医院は鹿港の他の古家再生拠点と「線」でつながり、さまざまな分野のパートナーと協力して、より広範な「面」の文化ネットワークを編み出していきたいと考えています。私たちは、長源医院が、文化と歴史の深み、創造的思考、そして持続可能な理念を融合した実践の場となることを願っています。ここでは、来訪者が古家の修復に込められた細部や技法に触れ、理解を深めることができるだけでなく、建物の所有者や空間の専門家たちが出会い、交流し、連携を図るプラットフォームとしての役割も果たします。それはまた、都市の景観において「古いものをただ新しくする」ことにとどまらない、新たな可能性を提示する場でもあります。
1年半にわたる内装工事と経営準備を経て、長源医院は6月上旬に正式にオープンします!「長源医院-鹿港歴史影像館」のFB/IGファンページをフォローして最新情報を入手し、この文化基地の再生の旅に一緒にご参加ください。
