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記憶のフーガ-長源医院音楽特別展

長源医院-鹿港歴史影像館「記憶のフーガ」特別展は、鹿港の騎楼空間を時の回廊に仕立て上げ、音楽をテーマに台湾の歴史を振り返るものです。また、許家の五世代にわたる人々と音楽が織りなす生命の軌跡を通して、庶民の生活や西洋文化の融合と進化が表現されています。今回の特別展では、歴史的画像、新聞報道、オーラルヒストリー・インタビューなどの方法で家族の音楽物語が整理され、収集されたアンティークの楽器やレコードなどの文化遺産も展示されています。また、カセットテープ再生エリアも設置され、来場者はヘッドフォンを着けて島嶼の音楽に浸ることができます。

「記憶のフーガ」特別展は「家族の音楽物語」、「33回転のタイムマシン」、「音楽体験エリア」の3つの主要エリアに分かれており、長源医院で開かれた許家の音楽会の様子、重要な出来事や曲が民族路側の主屋の騎楼下に再現されています。展示では、微視的な家族の視点から始まり、日本統治時代から現在までの音楽の変遷へと広がり、そこから庶民が時代の流れに適応していく姿や、百年にわたって受け継がれてきた生活への情熱を垣間見ることができます。

中空パネルで組み立てられた半屋外展示空間は、鹿港の街の喧騒と活力を残すと同時に来場者を歴史のトンネルへと導き、写真フィルムに焼き付けられた無音の旋律に耳を傾けさせます。キュレーションチームは、許読医師が故郷に西洋文化をもたらすきっかけとなった話から始め、彼が台医専交響楽団のバイオリン奏者として台南庁で20年ぶりとなる最大規模の音楽会に参加したことや、鹿港音楽研究会を組織した際のプログラムや新聞報道を一つ一つ展示しています。また、古い写真とその中の物語を通して、家族の成員が後に音楽を学び、愛するようになる深い系譜を繊細に描き出しています。また、台湾の著名なリアリズム写真家である許蒼澤もかつては器楽愛好家であり、彼が以前演奏していた鈴木バイオリンも特別展で公開され、今回の展示のハイライトの一つとなっています。

雄本老屋チームが「記憶のフーガ」特別展の空間を設営している様子。

許家の音楽物語と呼応するように、展示場の反対側の壁面には多数のレコードが掛けられています。これらは長源医院-鹿港影像館名誉館長の許正園医師が大切に保管していた楽曲であり、許家の音楽に対する変わらぬ愛情を象徴するとともに、台湾の1970年代から1980年代の社会的雰囲気も描写しています。1枚のレコードに6曲しか録音できないという時間的制約は、現代の音楽ストリーミングプラットフォームの利便性と鮮明な対比をなしており、当時の一曲一曲が持つ重みをより際立たせています。

隣接する音楽体験エリアにはカセットテープとプレーヤーが設置されており、来場者は自分でプレイリストから曲を選んで再生することができます。古い写真や三世代にわたるバックグラウンドストーリーと共に、音楽が許家の人々、さらには鹿港住民の人生の中で果たした役割を感じることができます。「記憶のフーガ」特別展への皆様のご来場を心からお待ちしております。時代の流れの中の永遠の旋律に耳を傾け、音楽がいかに家族、都市、時代の共通の記憶を紡いできたかを感じていただければ幸いです。

音楽体験エリアでは、来場者が自分でカセットテープを再生し、音楽を聴きながらその背景にある小さな物語を読むことができる。

「記憶のフーガ-長源医院鹿港歴史影像館特別展」

展示場所|長源医院鹿港歴史影像館(彰化県鹿港鎮中山路194号)

開催日|2024.11.13(水)

開館時間|水曜日~金曜日 11:30-17:30/土曜日~日曜日(祝日含む)11:00-18:00

指導機関|台湾文化部(日本の文化庁に相当)、彰化県文化局

企画|名誉館長・許正園医師、雄本老屋企画有限公司

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