2022年10月、雄本チームと卯澳の地元チーム・守護極東-馬崗、卯澳は共に卯澳石頭屋「福連街28号」、「福興街15号」の所有者である江明賢氏が「卯澳石頭屋繁星保存再生プロジェクト」に採択されるのを支援し、10月17日、台風の風雨の中で石頭屋の修復工事の起工式を開催しました。起工式の準備過程で、雄本チームは北東モンスーンの中で線香に火をつけるため、メンバーたちの手と背中で風雨を遮り、心を一つにして起工式の横断幕を掲げ、工事の安全と順調な進行を心から祈願しました。


石頭屋は台湾北東部の漁村集落で、自然環境に適応するために地元の石材で築かれた住居です。北東モンスーンや海の波を防ぐ機能性、地域環境を彩る芸術性、あるいは漁村発展の歴史が反映された文化性など、卯澳が保存を強く望む重要な特徴を持っています。かつての漁村住民の生活環境は厳しかったものの、近所の人々はいつも助け合っていました。石造家屋の建築、日々の漁撈や採集、そして地域の信仰である利洋宮の繞境(巡行)に至るまで。石頭屋集落の暮らしは、いつも皆で力を合わせてつくり上げられてきました。
雄本チームにとっても、石頭屋と共に踏査を行い、計画申請を経て着工に至るまでの歩みは、まさに同じように「共につくり上げてきた旅路」でした。私たちは地元チームや家主夫妻と共に卯澳の酷暑と厳冬を過ごし、一つ一つの石や瓦の物語に耳を傾けました。そして着工式当日、ちょうど季節風が吹きつけ、私たちは地元の人々が秋冬に日常的に向き合う気候を身をもって体験しました。同時に、石造家屋のたくましさも目の当たりにしました。たとえ一面の壁しか残っていなくても、風雨の中で揺るがずに立ち続けるその姿を。
雄本チームは今後の修復工事において、この風雨に耐えてきた石の壁をさらに強固な石頭屋にし、地元の人々のために新しい空間を作るだけでなく、斬新な計画と利用を通じて、石頭屋の特色や物語が、代々積み上げられてきた石のように、これからも紡がれていくことを目指しています。