2025.03.12
地方再生の2つの道:南郭宿舎群の柔軟な変化と新竹或者チームの「分散型美術館」に目を向ける
中原大学ランドスケープアーキテクト学科の呉振廷教授と雄本老屋が北埔集落に深く入り込み、古家と地域が共栄する可能性を探りました。まず、保存指定区域内から活用の可能性を秘めた5棟の古民家を選定し、建物の物理的な修復を進めると同時に、その空間に公共性と開放性をもたせる試みを行いました。古い家屋が現代の暮らしと歴史的な場のあいだをつなぐ“対話の窓口”となることを目指しています。さらに「北埔老聚落リイマジネーション(再製想像)」をテーマに掲げ、「老建築の運営」と「地域マネジメント」を軸とした2回の研修プログラムを企画しました。
Read More
2025.02.21
歴史の経緯に沿って文化遺産再生のネットワークを紡ぐ:
富岡製糸場見学報告
2025年初頭、雄本老屋チームは「富岡製糸場と絹産業遺産群」世界遺産登録10周年記念国際シンポジウムに参加するため日本を訪れ、富岡製糸場を実地見学し、この遺跡が古今を結ぶ文化の拠点に変貌を遂げた経緯について理解を深めました。今回の視察は、単にその再生ノウハウを学ぶためだけでなく、国際的な事例との対話を生み出す貴重な契機でもありました。私たちは、高雄港エリアにおける研究と再生の取り組みを通じて、富岡製糸場とのあいだに相互の刺激と学びを生み出し、文化遺産の持続的な発展という共通の未来像を、ともに描いていきたいと願っています。
Read More
2024.12.04
隣人が古家の日常へ:「継光工務所」が半開放空間で建築士の郷愁に応える
Read More
2024.11.20
史跡が教室に:文化資産教育の現地学習
文化資産をただ見るだけの場所ではなく、時代に合わせて今の日常に溶け込ませるにはどうしたらよいでしょうか。台湾の多くの人々にとって、かつての史跡というと、いわゆる「走馬看花式(表面的に見て回るだけ)」のガイドツアーという印象が強く、建築そのものは時間の中に固定され、都市の生活とは切り離された存在のように感じられてきました。このような状況に対し、榮芳杰(ロン・ファンジエ)氏は、古跡の多面的な魅力を引き出す「キュレーション思考(策展思維)」というアプローチを提案しました。さらに、教育プログラムの設計を通じてその理念を実践し、基礎教育の段階から古建築と人との距離を縮める試みを行っています。
Read More
2024.11.18
「舞台がないことこそ、最高の舞台」――パフォーミングアーツが古建築の空間に息づくとき
今回、雄本老屋の招きで、呉麗珠(ウー・リーチュウ)教授が鹿港「長源医院」を訪れ、「舞台がないことこそ、最高の舞台 ― 古い空間でこう演じる」をテーマに講演を行いました。劇場の現場で20年間にわたり得てきた気づきや感動を語りつつ、古い空間と現代アートをどう結びつけ、地域の記憶を呼び覚ましながら、人々と古建築との情感的なつながりを取り戻すことができるのか――その可能性について深く探りました。
Read More
2024.11.01
司阜の日常:建築工芸と職人
「好市開講」文化資産推進シリーズ講座では、今回は中原大学建築学科の葉俊麟(イェ・ジュンリン)教授を招き、匠師・蘇清良(スー・チンリャン)氏が修復に携わった旧愛国婦人会館を会場に講演が行われました。建築の現場で自ら手を動かしながらも、これまであまり語られることのなかった「匠師」という存在に焦点を当て、土水司阜(どすいしふ)・蘇清良氏の生涯を振り返り、伝統技術が現代社会で直面する課題について語られました。また、名襄文化の李志上(リー・ジーシャン)主任修復士、および雄本老屋の蕭定雄シニアマネージャーとの対談も行われ、台湾における匠師の育成、就業環境、そして文化資産修復産業の現状について意見が交わされました。
Read More
2024.10.30
保守x革新:今日の廃墟から明日の輝きへ
本年度、高雄市文化局の招待を受け、雄本老屋は一連の「好市開講」文化資産推進シリーズイベントの開催に協力しました。今回は浩建築士事務所の主任建築士・林光浩を逍遙園の大防空壕に招き、「保守x革新:今日の廃墟から明日の輝きへ」をテーマに、これまで貫いてきた信念と、2023年国家文化資産保存賞の受賞作品「高雄市歴史建築逍遙園」の修復経験を共有してもらいました。
Read More
2024.10.25
「当たり前ではない」という好奇心で、地域の非凡さを発見する:
歴史現場の多点透視法
今回、雄本老屋は清華大学の王俊秀(ワン・ジュンシウ)名誉教授を長源医院に招き、「歴史現場を読み解く――新竹清華園の史料発掘の歩み」と題した講演を開催しました。王教授は、新竹清華園(シンチュー・チンホアユエン)の発展史の中からいくつかの重要な場面を取り上げ、30年にわたり地方研究に取り組んできた自身の経験と、その成果をまとめた著書『新竹清華園の歴史現場』および『我書故我在:高雄製油所の蔵書印を復刻する記憶』の執筆に至るまでの心の歩みを語りました。
Read More
2024.10.04
複数選択可:文化資産の保存と地域共生
第1回「好市開講」文化資産推進シリーズ活動では、中原大学アーキテクト学科の林曉薇教授を捌邸楼老屋カフェに招き、「複数選択可:文化資産保存と地域共生」をテーマに、文化資産の保存・活性化を通じて地域の持続可能な運営を牽引する可能性について講義していただきました。林曉薇教授は台湾の文化的経路の統合・推進と調査研究に長年携わってきました。今回の講座では産業文化資産の価値を分析し、国内外の実際の活性化事例を共有しながら、現代都市と文化資産との繋がりを探求しました。
Read More